国産素材へのこだわり
「天然由来」「国産」素材に対するニーズの高まり
「天然由来」=「肌に優しい」「安心・安全」「環境に優しい」というイメージから、天然由来成分の配合をコンセプトとした自然派化粧品のニーズが高まっています。さらに「天然」に続く差別化ポイントとして、「国産」素材を用いた化粧品の開発に関心を示す化粧品メーカーが増えています。
当社は30年以上に渡り、天然由来化粧品原料を製造・販売しています。
当初は、医療用アテロコラーゲンのパイオニアとして、化粧品用アテロコラーゲンをはじめとする天然高分子の開発に注力してきましたが、市場ニーズの多様化に対応すべく、国産由来原料の開発を開始しました。
開発のきっかけは山形県特産品「ラ・フランス」
当社の国産植物素材への取り組みはラ・フランスからスタートしました。
「果物の女王」と呼ばれるラ・フランスは、果樹王国山形の秋の風物詩であり、高級果実として全国的な人気を誇っています。
このラ・フランスに”βアルブチン”という成分が含まれていることを、山形大学と地元企業が見出し、さらにはラ・フランスの枝から工業的にこの成分を高濃度に抽出・精製する手法を確立しました。
”βアルブチン”は美白成分として有名な物質でしたが、国産素材を利用したβアルブチン含有エキスを開発した事例はありませんでした。このため、当社はラ・フランス枝エキスの有用性に着目し、地元企業や研究機関と共同で新規化粧品原料「ラフランスコーケン」を開発しました。
こだわり①環境にやさしい「エコロジー」な製品開発
ラフランスコーケンは農業廃棄物であるラ・フランス枝より抽出されたエキスで、山形県3R推進事業(循環型社会を推進する「Reduce リデュース」「Reuse リユース」、「Recycle リサイクル」補助事業)の下、開発されました。
ラフランスコーケン配合化粧品の商品化は、果樹剪定枝のリサイクルに繋がります。その他の原料に関しても、形が悪く出荷できなかった農産物や、利用用途が少なく破棄されていた素材を有効活用し、製品を開発しています。今後も、利用価値の失われた素材の再利用による「環境にやさしいものづくり」を目指していきます。
こだわり②トレースを明確にした安心・安全への追求
当社が工場を有する山形県産の植物より抽出した原料については、自治体や地元企業とタッグを組み、農家の方までトレース可能な生産体制を確立しています。
「生産者の顔が見える」ほどのトレーサビリティーは、消費者に確かな「安心・安全」を届ける製品開発に繋がります。
生産者・地元農協・自治体・企業と密接な関係をつくり、素材の安全性を十分に吟味した上で原料化を進めています。
こだわり③確かなエビデンスと機能性への追求
化粧品の最大の目的である「消費者の肌の悩みを解決する」ために、安心・安全というイメージだけではなく、エビデンスに裏付けされた機能性国産素材を開発しています。
ラフランスコーケンの開発後も、地元自治体・地元企業・地元研究機関(山形大学、慶應義塾大学等)との長年にわたる研究開発の中で、果樹王国山形の代名詞サクランボや、国内有数のブランド柿である庄内柿、庄内平野で育まれた高級メロン、夏スイカ日本一の尾花沢スイカなど、さまざまな植物に化粧品素材としての有用性を見出し、新規化粧品原料として展開してまいりました。
例えば、サクランボにはヒトの肌が持つ天然保湿因子(NMF)の基となるタンパク質の産生を上げる働き、庄内柿には消臭効果、メロンやスイカには肌のキメや乾燥を改善する効果が確認されています。(詳しくは国産植物原料の各ページをご参照ください)
国産素材の可能性を広げる
上記のような素材へのこだわりは、山形県産の植物に留まりません。
当社のコアマテリアルであるアテロコラーゲン、特にフカヒレ・サメ由来のアテロコラーゲンは、気仙沼産のサメを使用し、肌本来のコラーゲンの構造(三重らせん構造)を壊さないよう、じっくり低温抽出しています。(製品詳細はこちら)
最近注目の化粧品素材であるサクランは、熊本・福岡県産の藻類スイゼンジノリから抽出した多糖類で、ヒアルロン酸の5~10倍の保水力があり、被膜形成や抗炎症効果によるアトピー改善の臨床データが報告された、医療応用も期待されている素材です。(製品詳細はこちら)
いずれも生産者・開発者のこれまで培ってきたノウハウと、素材へのこだわりが詰まった原料となっています。
日本にはまだまだ面白く有用な素材が眠っています。多種多様な化粧品のニーズに対応するため、全国各地の幅広い素材を研究し、安全・安心で独自性のある天然原料をお届けしていきます。