コラーゲンシートで乾燥による小ジワが目立たなくなる効果

FD

1.はじめに

小ジワを改善する化粧品が注目され、人気を集めています。

高研が製造・販売する化粧品原料「三重らせんコラーゲン」を配合した凍結乾燥(フリーズドライ)原料にも小ジワを目立たなくさせる効果のあることをご存知ですか? 高研の「コーケンパーフェクトアクアジェルシート」と「キュービックコーケンアクアジェル」は、「三重らせんコラーゲン」と「フリーズドライ」の技術を利用した 凍結乾燥原料です。この原料はお肌に張りを与えてキメを整え、小ジワを目立たなくさせる効果を持ちます。

2.三重らせんコラーゲン

図1 コラーゲンの構造

コラーゲンはお肌に潤いを与える化粧品成分です。たくさんの種類のコラーゲンがいろいろな化粧品に配合されていますが、原料メーカーがもっとも注目するのはコラーゲンの形、「分子構造」です。
私たちの身体を構成するコラーゲンは三重らせん構造をしています。皮膚が柔らかく、しっかりと水分を保持するのはコラーゲンが三重らせん構造をしているからに他なりません。この三重らせんコラーゲンは熱に弱いという性質を持っています。高温に曝されるとらせん構造が壊れ、ゼラチンに変化してしまいます。お肉を料理したときに出てくる煮こごりや肉汁はこの三重らせんコラーゲンが壊れてゼラチンになってしまったものです。さらにゼラチンを小さな分子、ペプチドに分解すると加水分解コラーゲン(コラーゲンペプチド)になります。

図2 分子構造の異なるコラーゲンの保水能

コラーゲンの構造と保湿能には図2のような関係があります。各種コラーゲンそれぞれの粉末がどのくらい水を保持できるかを試験し、加水分解コラーゲンが保持できた水分量を1として、ゼラチンおよび三重らせんコラーゲンの保持できた水分量を相対値で示しました。結果を見ると、ゼラチンは加水分解コラーゲンの約4倍、三重らせんコラーゲンでは約13倍の保水量が示されました。三重らせんコラーゲンは他のコラーゲンと比較して非常に多くの水分を保持しました。コラーゲンの立体構造が保水力に大きな影響を与えていることが明らかにされています。

3.三重らせんコラーゲンの熱安定性

図3 三重らせんコラーゲンの熱安定性

保水能力の高いコラーゲンは三重らせん構造をしていることが分かりました。しかし、コラーゲンの有効な機能とは裏腹に、三重らせんの構造は熱に弱いという特徴を併せ持ます。下の図の桃色の線は三重らせんコラーゲンの溶液を加熱したとき、コラーゲンのらせん構造がどのように変化するかを調べたものです。30℃以上の温度になるとコラーゲンのらせんがほどけ、40℃以上ではゼラチンになってしまっていました。保湿能の高いコラーゲンも、ゼラチンになってしまえば図2の通り保湿能は著しく低下してしまいます。

4.フリーズドライ(凍結乾燥)技術

フリーズドライ技術はインスタントコーヒーやカップラーメン、卵スープなどの食品で日常的に利用されています。食品以外にも医薬品や宇宙食にもこの技術が利用されています。フリーズドライ技術が利用される理由として、この技術で乾燥させた原材料は素材の旨味や機能がそっくりそのまま残され生かされていることが上げられます。フリーズドライ品の作り方はその名前の通りで、凍結乾燥機という装置の中で素材を凍らせ(フリーズ)、次に水分を飛ばす(ドライ)という2つの工程(フリーズ&ドライ)からなります。水分を飛ばすときに装置の中を真空にすると、低い温度でも水分は抜けるようになります。この方法を用いれば熱に弱い物質も、熱を掛けることなく乾燥物にすることができます。医薬品のような機能を持った成分は熱に弱い物が多く、フリーズドライ技術を利用することによって成分の機能を壊すことなく乾燥品にすることができます。乾燥品が出来上がると、水による影響や微生物による分解を受けにくくなるため、安定性が高くなります。
熱に弱い三重らせんコラーゲンをフリーズドライすると熱に強いコラーゲンができます。先ほどの図3のグラフにフリーズドライした三重らせんコラーゲンを加熱したときの結果(紫色の線)が示されていますが、溶液のときとは違い、高い温度でも保湿能の高いらせん構造が維持されていることが分かります。
化粧品にフリーズドライ技術を応用すると美容成分の機能を失うことなく、使用時までしっかりと機能を維持したまま皆様のお手元にお届けすることができるようになります。

5.三重らせんコラーゲンシートで小ジワを目立たなくする

フリーズドライ技術を使って三重らせんコラーゲンの特性を生かして作られたプレミックス原料が「コーケンパーフェクトアクアジェルシート(KPAGS)」です。このシートには、アルギン酸Na、アルギン酸PG、水溶性コラーゲン、スクワラン、ラウリン酸ポリグリセリル-10が全成分として配合されています。お肌に優しい植物由来の原料を中心に処方が組まれ、防腐剤等が一切含まれておりません。このシートを1日2回 (朝夜)、水で溶解して肌に塗布すると1~2週間後には角質の水分量が増加するようになります。

  • 図4 KPAGSの保湿効果(*p≦0.05)

さらに抗シワ製品評価ガイドライン(日本香粧品学会誌, 30 (4), 316~332 (2006))に沿ってシートの抗シワ機能評価試験を行うと2つの異なる試験法で小ジワを目立たなくさせる効果が確認されました。

  • 図5 KPAGSのシワグレードによる抗シワ効果(*p<0.01)

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  • 図6 KPAGSの最大シワ最大深度による評価(*p<0.05)

皮膚のシワは、①角質層内にある水の分布が変化することをきっかけに、②炎症性物質や活性酸素が増加し、③コラーゲンやエラスチンを分解する酵素が増加することによって、④コラーゲンやエラスチンが分解され、⑤真皮層の強度と弾力性が低下することによって形成されると考えられています。
シートに含まれる三重らせんコラーゲンは高い保水能力を有します。この機能が角質層の水分量を維持し、小ジワ形成のきっかけを抑え、小ジワを目立たなくさせる働きを示していると考えられます。

「コーケンパーフェクトアクアジェルシート」はお肌を水分で潤わせ、より良い状態を長く維持させます。スキンケアの一アイテムとしてご利用を検討されてはいかがでしょうか。